武雄市図書館に行ってきました④CCCが仕掛けた図書館戦争?

 左の写真は27日の毎日新聞のページ全体を使った広告です。武雄市でTポイントの利用者カードを作った人は期間中無料で、全国どこででも蔦屋の店があれば借り出しを無料でできる広告です。

 「おおっ、こう来るのか!」と企業戦略の巧みさに、ただただ感心するばかりです。昨今の蔦屋の営業は図書館のAV資料の充実で先の見通しが立たなかったはずでは?しかし公共の図書館と提携すれば圧倒的集客と企業としてもプラスイメージ、話題性が・・・・・

 図書館システムを15年間学び、内外の100以上の図書館を訪問しその素晴らしさにこのシステムを次世代の子どもに残したいと思っている、しかし一図書館利用者すぎない私ではありますが、ある考えに到達し、慄然としています。

 

 さてその武雄市図書館ですが、樋渡市長は開館時間が住民のニーズに応えていない、という首長の判断で指定管理者導入を決意されたようで、その有様が全国で論議を呼んでいます。しかしこれはあくまでも武雄市の問題です。確かに図書館法から見るとおかしい場面、システムがあるかも知れませんが、武雄市の税金を使って、武雄市が議会にかけ(傍聴してその異様さにびっくりしましたが)正規の手続きで運営を開始しています。年間の運営費が従来よりも3000万円ほど削減できる、合併特例債で4~5億円の改修をした、図書館の司書は学校図書館へ移動させるなどなど・・・・

 指定管理者の相手先として、競争入札をしないで最初からCCCを選んでやったことには異論があるかもしれませんが、今のところ他の自治体の一議会議員である私には批判はできません。

 

 ただ図書館を利用する一住民として図書館システムの崩壊につながりそうな危うさを持ったCCCの手法には異議を唱えたいと思います。このccc独自の手法で日本全国に名を広め、サクセスストーリーを展開しようとしている「蔦屋」という企業の踏み台に武雄市の図書館がなるのではないか、そんな懸念が抑えても抑えても吹き出てしまう、これはcccが図書館界に仕掛けた「図書館戦争」のような気がしてならないのです。

 

 だからその行く末を見極めるために私は利用者として武雄市の図書館に通い、その様子を皆さんに伝えたい。図書館システムは素晴らしいのですが、日本の現状ではそれを守る強い組織が今のところ見当たりません。脆弱な図書館とそのサービスシステム、特に名札ひとつで利用者になることができ、児童サービスという素晴らしい恩恵を日本中の子どもがやっと享受できそうになった今、単なる「消費者」としての扱いしかしないCCC運営の図書館サービスを検証し、是非を問いたいと考えています。

 

 7月23日に武雄市図書館に行き、利用者として登録しました。これからも時間の許す限り訪れ、本を借り、利用者として発信していきます。ひとまず今回の見学記はこれで終了です。

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コメント: 1
  • #1

    金の髭 (水曜日, 31 7月 2013 04:47)

    市議会(主に樋渡市長)の異様さを感じ取っていただけたのは幸いです。
    武雄市図書館の年間図書館費は実質1.2億円程度でしたが、
    今年度当初予算資料を見ると、なぜか1.5億円超に増加しています。
    「年間運営費を削減した」と主張していますが、具体的な計算根拠が全く不明です。
    市議会での説明もその場しのぎのものばかりであり、
    市民を欺く形で計画が進められてしまいました。
    私の武雄市図書館に関する考え等は、以下のページにまとめております。
       http://goldenhige.cocolog-nifty.com/blog/2013/07/post-8a95.html
       http://togetter.com/li/472639
       http://togetter.com/li/497063

    そして、今度は宮城県多賀城市でもツタヤ図書館が計画されてしまっています。
    多賀城市でも市長が独断的にCCC社との連携を決めてしまったようです。
    つい先日、そのイメージ図がCCC社から発表されましたが、
    あの東日本大震災の被害を受けた土地であるにも関わらず、
    武雄市図書館と同様の危険な巨大書架が3層ぶち抜きで並ぶという、
    あまりにも異常なデザインとなっていました。
    つくづく、CCC社は利用者のことなど何一つ考えていないのだなと感じました。
    愚かな首長の増長と暴走、それを利用し市民を食い物にする
    民間企業の跳梁跋扈を放置すれば、日本の図書館はどんどん悪い方向に
    進んでいくことになるのではないでしょうか。
    (民間の力を否定しているわけではなく、真っ当にやるべきだということです)

    図書館のことに限りませんが、市民らが政治をしっかりと見極めて
    声を上げていくべきだと考えております。